残地物とは
残置物とは、前の入居者が退去する際に残していった私物(家具・家電など)を言います。
当然ですが、退去する前に次の人が入居しても問題ないよう残置物は撤去する必要があります。
しかし、夜逃げなどで残置物を置いたままでていき、連絡が取れなくなる方もいらっしゃいます。
入居者が亡くなったり、夜逃げされた場合は親族や家主が残置物撤去の費用を負担しないといけません。
今回は残置物の撤去をする際にどのくらいの費用がかかるのか、業者の選び方、少しでもお得に利用するポイントなどをまとめました。
「残置物を撤去したい…」「業者を利用したいけど選び方が分からない…。」と思っている方はぜひ読んでください。
残置物撤去を行う業者
残置物撤去を行ってくれる業者は下記の3種類の業者です。
業者に依頼する場合は以下の3種類の業者から選ぶようにしましょう。
- 不用品回収業者
- 遺品整理業者
- 特殊清掃業者
どんな方が利用すれば良いのか、料金相場はどのくらいなのか、それぞれ詳しく解説しますね。
不用品回収業者
不用品回収業者とは
不用品回収業者は家庭などで使用した家電製品や家具、生活用品を回収し処分する業者です。
基本的に不用品回収業者を利用する時、プランが下記の2つから希望する方を選びます。
- 家具・家電などの単品回収
- トラック載せ放題プランを利用しての回収
残置物が少量の時は単品回収プランを利用しましょう。各業者ごとに料金が異なりますので注意してください。
単品回収プランでは処分方法が分からない家電や、自分では運べないような重いものを回収してもらう時に利用するがおすすめです。
対して、残置物が大量にある場合は載せ放題プランを利用した方がお得です。
こちらはトラックの大きさによって料金が変動します。業者ごとにトラックの料金も異なります
また積み放題と謳っていますが、最大の積載量(法定積載可能重量)が決まっております。
積み放題とは言っても限界がありますので注意しましょう。
以下に、軽トラックと2tトラックの積載量をまとめました。
- 軽トラック
- 2tトラック
荷台:長さ1.9m × 幅1.3m × 高さ1m以内
法定積載可能重量:350kg以内
荷台:長さ3m × 幅1.7m × 高さ2m以内
法定積載可能重量:2t(2,000kg)以内
残置物の量を事前にしっかり確認して、自分にあったプランを選ぶようにしましょう。
こんな方におすすめ
- 自分では処分できない重たい家具・家電がある…。
- 引越しなどで退去の日が近い…。
- 処分したいものが大量にあり、自分ではどうしようもない…。
不用品回収業者の料金相場
- 単品回収プラン
ソファー | ¥5,000~¥15,000 |
---|---|
エアコン | ¥4,000~¥9,000 |
冷蔵庫 | ¥5,000~¥15,000 |
テレビ | ¥2,000~¥10,000 |
本棚 | ¥4,000~¥8,000 |
- トラック載せ放題プラン
軽トラック/1台 | ¥5,000~¥15,000 |
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2tトラック/1台 | ¥25,000~¥60,000 |
遺品整理業者
遺品整理業者とは
遺品整理業者は親族や入居者が亡くなった時に家の中の遺品を整理して片づける業者のことです。
必要なものと不要なものに分け、不要な残置物は処分してくれます。
利用する際は、何が必要で、何を残しておくべきか遺品整理業者に伝えるようにしましょう。
供養をするオプションや家電の買取をしてくれる業者など様々です。
こんな方におすすめ
- 遺品もだが、ゴミ・不用品の量も多い…。
- 遠方にいるので専門業者に遺品整理と残置物撤去をお任せしたい…。
- すぐに退去しないといけないので、すぐに遺品整理と残置物を撤去したい…。
遺品整理業者の料金相場
1K/1R | ¥30,000~¥70,000 |
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1DK | ¥50,000~¥130,000 |
1DK | ¥70,000~¥190,000 |
2LDK | ¥130,000~¥250,000 |
3LDK | ¥190,000~¥400,000 |
基本的に間取りによって料金が変動します。マンションや戸建てなど住居形態などによって変動することはほとんどありません。
また、残置物の買取や供養などのオプションによっても料金は変動します。
特殊清掃業者
特殊清掃業者とは
特殊清掃業者は、孤独死やゴミ屋敷など通常の清掃やハウスクリーニングでは対応が難しい清掃を行います。
特殊清掃はウジ虫などの害虫の除去や消臭、腐敗した体液などの除去をするのですが、それらの作業の前に残置物を撤去します。
もし、身内や親族が亡くなり、残置物撤去や原状回復が必要になった場合は必ず特殊清掃業者に依頼してください。
特に腐敗した体液に触れると感染リスクがあります。死臭も発生し、防護服を着用しての作業必須だからです。
こんな方におすすめ
- 身内が孤独死になってしまった…。
- ゴミ屋敷になるほど大量に残置物があり、清掃も行ってほしい…。
- 部屋から異臭がし、消臭・除菌・害虫駆除が必要…。
特殊清掃業者の料金相場
1K/1R | ¥30,000~¥100,000 |
---|---|
1DK | ¥50,000~¥150,000 |
1DK | ¥80,000~¥300,000 |
2LDK | ¥130,000~¥400,000 |
3LDK | ¥180,000~¥500,000 |
特殊清掃業者に依頼する場合は、残置物の撤去以外にも原状回復の清掃をお願いすることになると思います。
とくに孤独死やゴミ屋敷はお部屋の状況によって料金が変動いたします。
場合によってはリフォームが必要になることも…。
次の章でまとめていますが、特殊清掃業者を利用する場合はとくに相見積もりを取って、その料金が妥当なのか判断するようにしましょう。
特殊清掃の料金相場や悪徳業者を回避する方法を知りたい方は以下の記事を閲覧ください。
特殊清掃の料金相場・追加費用が請求される事例・作業内容【ぼったくり業者に騙されないために…】
悪徳業者を回避する業者選び
残置物を撤去する業者に依頼するのは初めての方が多いと思います。
中には、仕事がいい加減な業者や高額な費用を請求してくる業者もいます。
そこで初めての方でも失敗しないように、どのように業者に依頼したら良いかまとめました。
- どの業者を利用するか選ぶ
- 相見積もりを取る
- お見積もりが明確か
どの業者を利用するか選ぶ
まず不用品回収業者、遺品整理業者、特殊清掃業者の3社から、どの業者を利用するか決めましょう。
前述してありますが、自分の状況と照らし合わせて業者を選んでください。
- 自分では処分できない重たい家具・家電がある…。
- 引越しなどで退去の日が近い…。
- 処分したいものが大量にあり、自分ではどうしようもない…。
- 遺品もだが、ゴミ・不用品の量も多い…。
- 遠方にいるので専門業者に遺品整理と残置物撤去をお任せしたい…。
- すぐに退去しないといけないので、すぐに遺品整理と残置物を撤去したい…。
- 身内が孤独死になってしまった…。
- ゴミ屋敷になるほど大量に残置物があり、清掃も行ってほしい…。
- 部屋から異臭がし、消臭・除菌・害虫駆除が必要…。
相見積もりを取る
不用品回収業者、遺品整理業者、特殊清掃業者のうちどの業者に依頼するか決定したら、さっそく連絡しましょう。
お急ぎでない場合や残置物が多く費用が高額になる見込みがある場合は、複数の業者にお見積もりを依頼することがおすすめです。
複数の業者にお見積もりをすることで費用面や担当者の対応などを比較することができます。
気になったことは必ず質問をするようにしてください。
実績のある業者は作業の工程を把握していますので誠実に回答してくれます。
しかし、悪徳な業者は曖昧な回答が返ってくる場合があります。
複数の担当者と充分に話して、信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
お見積もりが明確か
残置物の撤去に何にどのくらいの費用がかかるのか、内訳を明示してくれる業者を選ぶようにしましょう。
中には内訳を明記せずに、合計費用のみ記載したお見積もりを提示する業者もいます。
望んでいないのにオプション料金が入っていたり、なにかしら理由を付けて高額な料金に設定したりしているかもしれません。
ですので内訳が詳細で明確な業者と契約するようにしましょう。
お得に利用するポイント
ここまで読んで失敗しない残置物撤去業者の選び方は把握できたかと思います。
実は残置物を撤去する際に、金額面だけでなく、時間効率も含めてお得にご利用できるポイントがあります。
失敗しない選び方と合わせて確認すると、利用した際の満足度は上がると思います。
- 不用品の買取を行っている業者を選ぶ
- 原状回復をしてくれる業者を選ぶ
- 事前にものを減らしておく
不用品の買取を行っている業者を選ぶ
前述した内容と重なりますが、不用品の買取を行ってくれるだけで全体の費用は安くなります。
劣化していない家電や、残置物が多い場合や買取が可能な家具・家電があるかもしれません。
少しでも費用を抑えたい場合は買取を行っている業者を選ぶのをおすすめします。
残置物撤去業者がすべての家具・家電を買取できるというわけではありません。
劣化していない状態でも孤独死による死臭が付着している家電などは買取が難しいケースがあります。
状態を確認したうえで、買取可能か判断いたします。
原状回復をしてくれる業者を選ぶ
残置物を回収した後のお部屋ではホコリや汚れがあると思います。
特に賃貸の場合は次の人が入居できるよう綺麗にし、原状回復をしなければなりません。
ですので、ハウスクリーニング・原状回復を兼用している業者を頼むと依頼者さまの時間や手間的に効率が良いです。
追加で費用が発生してしまうことがほとんどなので、時間がない方や手間を省きたい方にお勧めです。
事前にものを減らしておく
当然ですが、残置物が多いほど撤去に費用がかかってしまいます。
ですので、自治体の処分方法が分かっているものなどは事前に処分しておくと費用は減らすことができます。
部屋が異臭がする場合や臭いが強烈な場合は自分で撤去するのは控えましょう。
臭いが付着しとれなくなることや、体調を崩す原因となります。
特に孤独死の場合は、絶対に自分で残置物の撤去や清掃をすることは控えてください。
必ず専門の業者に依頼しましょう。
自分での残置物撤去の注意点
自分で少しでも残置物を減らそうと思う方は以下の点に注意してください。
- 自治体のルールを確認する
- 衛生管理と安全性
- 部屋を傷つけないようにする
自治体のルールを確認する
自治体によって残置物の撤去の方法は異なります。決められた日程までに持ち運ぶ必要もあります。
また、細かい規定がある自治体もあります。必ずルールを守って撤去するようにしましょう。
衛生管理と安全性
とくに残置物が多い場合はどうしてもゴミが発生してしまいます。
ですので、手袋・マスク等の着用し、汚れや感染症のリスクから身を守りましょう。
前述してありますが、とくに孤独死現場の残置物撤去や清掃をご自身で行うことは基本的におすすめはしません。
腐敗した体液や血液が付着し感染症になるリスクがあるからです。
詳しくは以下の記事にまとめています。
死臭ってどんな臭い?放置すると悲惨な状況に…。自分で消臭する方法と危険性とは。特殊清掃業者を使うメリットも解説
部屋を傷つけないようにする
大きなものを運びだす時は、壁に気を配るようにしましょう。
家具をぶつけて壁に穴が開いてしまったら、かえって修復に費用がかかってしまいます。
残置物の量が少ない場合でも、自分で撤去が難しいと思ったらすぐに業者を利用しましょう。
まとめ
今回は残置物撤去はどの業者に頼めば良いのか、相場費用や失敗しない選び方などをまとめました。
大量に残置物がある場合は自分で撤去するのは大変です。
残置物撤去を業者に依頼しようと思っている方に少しでも参考になれば幸いです。