特殊清掃が必要になる現場には、必ずと言っていいほと害虫が発生します。
害虫が発生すると、その部屋だけでなく周囲にも多大な迷惑をかけてしまいます。
また、健康被害を及ぼすこともあります。
部屋に虫が湧き始めて不安な方や、害虫駆除を依頼しようと思っている方に少しでも参考になれば幸いです。
害虫が発生する理由
そもそも害虫はどのような状況の時に大量に発生するのでしょうか。
害虫が発生しないような状況を作ることが大切です。
- わずかなスキマから侵入できる
- 餌が豊富
- 掃除をしない
- 孤独死現場
- ゴミ屋敷
- 空き家
- ハエ
- ウジ・ウジ虫
- ダニ
- ゴキブリ
- 健康被害
- 近隣トラブル
- 建物への被害
- サルモネラ菌
- 赤痢菌
- ピロリ菌
- 黄色ブドウ球菌
- ダニ媒介性脳炎
- 日本紅斑熱
わずかなスキマから侵入できる
ハエやゴキブリは少しのスキマがあれば侵入することができます。
部屋を閉め切っているはずなのに、たまにコバエが発生することはあるでしょう。
空き家など水回りを使用しなくなると、配管を通って湧くこともあります。
餌が豊富にある
ゴミ屋敷や孤独死の現場には害虫の餌(生ゴミや汚れなど)が大量にあります。
ですので、害虫が住み続けるには最高の空間です。
餌に困らないので、害虫は増え続けていきます。
また、ゴミ屋敷はものも多いため、害虫にとっては隠れやすい環境です。
そのため、表面上は綺麗にしても、部屋の隅や普段は掃除もしないような場所に隠れていることが多いです。
掃除をしない
基本的なことですが、掃除をしないので害虫が繁殖します。
孤独死の発見が遅れてしまったり、ゴミ屋敷になるまで掃除を放置したりして…。
そのような不衛生な状況のままですと、害虫は増え続ける一方です。
掃除や孤独死をさせないための工夫をしないといけません。
詳しくはゴミ屋敷を作る要因や、孤独死をさせないための工夫は下記の記事を参考にしてください。
参考:ゴミ屋敷を作る人の特徴や心理状態とは?ストレス・病気が要因で片づけができない?最終的には自治体の強制介入も。
参考:孤独死で最も多い死因とは?孤独死する人の特徴とすぐにできる3つ対処法。セルフネグレクトには要注意。
害虫が発生する現場
具体的にはどのような現場で害虫が大量に発生するのでしょうか。
全て特殊清掃が必要となる現場です。それぞれ解説します。
孤独死現場
孤独死が起きた時、遺体が発見されるまで腐敗していきます。
その腐敗した遺体にハエなどの害虫が卵を植え付けさらに繁殖します。
夏は2~3日、冬は5~7日で遺体の腐敗が進行します。
後述していますがハエの繁殖スピードはすさまじく、甚大な被害を及ぼすことも…。
ゴミ屋敷
生ゴミやほこりなど、害虫の餌になるものが多いゴミ屋敷で大量に発生します。
餌には困らないため、繁殖し続けます。
またゴミ屋敷はモノが多く害虫が隠れる場所もたくさんあるので、隅々まで綺麗にしないと完全に駆除できません。
空き家
空き家では清掃や換気が十分に行き届いていないため、ホコリやカビが発生します。
結果、家の木材が腐敗していきます。
腐敗した木材はシロアリにとっては餌となり、ホコリやカビを食べる他の虫も集まってきます。
また、生ごみの不法投棄されることで、さらに害虫が発生しやすい状況になることもあります。
害虫の種類
特殊清掃が必要とな現場にはどのような害虫が発生するのでしょうか。
中には危険な病原菌を運ぶ害虫が発生します…。
特に、ハエやゴキブリを複数匹発見できたら、部屋はいつも以上に丁寧に掃除し始めましょう。
ハエ
ハエやコバエは特殊清掃現場で最もよく見かける害虫です。
先にまとめたように、孤独死の時は遺体に卵を産み付けて繁殖します。
水回りや生ごみがある箇所を好みます。
また、小さなスキマから侵入し、ウイルスを運んでくる可能性もあります。
ウジ・ウジ虫
ウジ虫はハエの幼虫です。
ウジ虫が発生すると思ったより深刻な状況です…。
ハエが卵を産み付けて、遅くとも数日で孵化します。
2週間程度で成虫のハエになり、ハエは1回の産卵で100前後の卵を産みます。
すさまじいスピードで繁殖するので、短期間放置するだけで、大量発生してしまいます。
ダニ
ホコリや、ゴミ屋敷の住民から出るフケなど、不衛生な環境には大量にダニにとっての餌があります。
ダニが大量に繁殖すると、ダニに刺されたりや湿疹ができたりする可能性があります。
また、ダニを媒介にする病気(ダニ媒介脳炎など)を引き起こすことも…。
ゴキブリ
誰もが苦手とするゴキブリは、なんでも食べる雑食性のうえ、少ない栄養で生きることができるので生命力も非常に高いです。
通気性が悪く、じめじめした場所を好みます。そのため、水回りでよく発生します。
とくに台所は生ごみもあるので、ゴキブリが生きやすい場所となっています。
ゴキブリもハエと同様に、小さなスキマから侵入することができるのも厄介です。
害虫による被害
どんな害虫が発生するか、発生する原因などは理解できたかと思います。
その害虫を放置し続けると、様々な被害をもたらします。
実は人体的な被害だけではありません…。
健康被害
害虫を放置すると人体に影響を及ぼす健康被害を受けます。
また、害虫は基本的に不衛生な環境に生息しているので、さまざまな病原菌を保有しています。
下記に害虫が運ぶ病原菌の例をまとめています。
ハエやダニ・ゴキブリを媒介して、ウイルスに感染します。
直接触れなくても、空気感染するものもありますので放置するはやめましょう。
部屋を片付けなかっただけで、重篤化するウイルスに感染するのは嫌ですよね。
また、身内が孤独死にあった時は、必ず専門の特殊清掃業者に依頼しましょう。
害虫が病原菌を持っているだけでなく、腐敗した血液・体液経由で感染症になるときがあります。
近隣トラブル
害虫を放置し続けると、隣の部屋にも繁殖しだします。
害虫だけでなく、悪臭も発生するので、近隣の方にとっては最悪な状況です。
クレームで済めばよいですが、最悪の場合は損害賠償を支払わないといけないことも…。
建物への影響
害虫を放置し続けると、糞や死骸でさらに汚れていきます。
そのため、部屋の修繕に多額の費用を使うことになります。
床やクロスの張り替えが必要になると、場合によっては3桁万円行くこともあります。
ゴミ屋敷の清掃にしろ、孤独死の清掃にしろ、特殊清掃は早めに業者に依頼することが被害を軽減し、料金を安くするポイントです。
特殊清掃業者に問い合わせを
ゴミ屋敷や孤独死現場などの害虫を駆除したい場合は必ず、特殊清掃業者に連絡しましょう。
床や壁の汚れ・悪臭も除去することができます。
通常のハウスクリーニングでは清掃できないことも、特殊清掃では特別な機械や薬剤を用いて清掃します。
詳しくは以下の記事を参照してください。
参考:特殊清掃って何?費用の相場や清掃業者の作業内容・選び方のコツなどを解説。孤独死は社会問題に…。
まとめ
今回は特殊清掃現場に発生する害虫についてまとめました。
被害が軽微な時は殺虫剤で対処するのがおすすめです。
ゴミ屋敷に住んでいる人が親族にいる方はすぐに特殊清掃業者に清掃を依頼しましょう。
また、一人暮らしの高齢者は孤独死になる確率が非常に高いです。
孤独死になって、親族の遺体が害虫の住処にされるのは嫌ですよね…。
一人暮らしの高齢者がいる親族や大家さんは、孤独死にあわないようにコミュニケーションをとるようしましょう。
下記の記事を参考にしてください。孤独死への対策法などをまとめています。