
シロアリ駆除の薬剤って、人体に害はないの?



赤ちゃんやペットがいるけど、駆除しても大丈夫?
シロアリ駆除を検討するとき、「薬剤が人体に悪影響を与えないか」は多くの方が気になるポイントでしょう。
かつて使用されていたクロルデン等の有機塩素系薬剤は、発がん性や環境汚染が問題となり1986年に使用禁止となりました。
しかし現在のシロアリ駆除剤は、公益社団法人日本しろあり対策協会が安全性を認定した薬剤のみが使われており、人体への影響は極めて低いとされています。
この記事では、シロアリ駆除剤の種類ごとのリスクや工法による安全性の違い、赤ちゃん・ペットへの影響まで詳しく解説します。
- 現在のシロアリ駆除剤が安全とされる根拠
- 薬剤の種類ごとの人体へのリスク比較
- バリア工法とベイト工法の安全性の違い
- 赤ちゃん・妊婦・ペットへの影響と対処法
- 自分で駆除剤を使う場合の注意点
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【結論】現在の駆除剤は人体への影響が極めて低い


結論から言えば、現在日本で使われているシロアリ駆除剤は、正しい施工方法を守れば人体への影響はほとんどありません。
1986年以前は有機塩素系(クロルデン・ディルドリンなど)の薬剤が主流でしたが、発がん性や残留性の高さから使用が全面禁止されました。
現在は公益社団法人日本しろあり対策協会が認定した薬剤のみが使用されており、哺乳類への毒性が極めて低いものが厳選されています。
ただし、化学物質に対して過敏な方(化学物質過敏症など)は施工前に業者へ相談することをおすすめします。
適切な換気と施工後の乾燥時間を確保すれば、一般的な住環境で健康被害が起きるリスクは極めて低いでしょう。



現在の駆除剤は安全性が高いものばかりです。次の章で薬剤の種類ごとのリスクを詳しく見ていきましょう。
シロアリ駆除剤の種類と人体へのリスク


シロアリ駆除剤にはいくつかの系統があり、それぞれ成分・毒性・特徴が異なります。
ここでは主要な5種類について、人体への影響を中心に解説します。
| 薬剤の種類 | 代表的な成分 | 人体への毒性 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ネオニコチノイド系 | イミダクロプリド・クロチアニジン | 極めて低い | 現在の主流、哺乳類への選択毒性が高い |
| ピレスロイド系 | ビフェントリン・ペルメトリン | 低い | 天然除虫菊由来、分解が早い |
| ホウ酸系 | ホウ酸・DOT | 低い(大量摂取時は危険) | 自然由来、揮発しない、長期効果 |
| フェニルピラゾール系 | フィプロニル | 低い | 少量で高い効果、ドミノ効果あり |
| カーバメート系 | プロポクスル・フェノブカルブ | やや注意が必要 | 即効性が高い、使用頻度は減少傾向 |
ネオニコチノイド系|現在の主流・人体への毒性は低い
ネオニコチノイド系は、現在のシロアリ駆除で最も広く使われている薬剤です。
代表的な成分にはイミダクロプリドやクロチアニジンがあり、昆虫の神経伝達物質(ニコチン性アセチルコリン受容体)に選択的に作用する仕組みになっています。
哺乳類のニコチン受容体とは構造が異なるため、人体への毒性は極めて低いとされています。
ただしミツバチへの影響が指摘されており、EUでは一部の屋外使用が規制されています。
室内の床下施工であれば環境への影響も限定的なため、安心して使用できるでしょう。
ピレスロイド系|天然由来で分解が早い
ピレスロイド系は、天然の除虫菊に含まれるピレトリンを化学的に合成した薬剤です。
代表的な成分にはビフェントリンやペルメトリンがあり、昆虫に対する即効性が高い一方、哺乳類の体内では速やかに分解されます。
紫外線や空気中の酸素で自然分解されるため、残留性が低く室内環境への影響が少ないのがメリットです。
一方で忌避性(虫が嫌がって逃げる性質)が高いため、施工範囲にムラがあるとシロアリが別の場所に移動するリスクがあります。
アレルギー体質の方は、施工中に皮膚のかゆみや目の刺激を感じることがあるため、施工時の換気を徹底しましょう。
ホウ酸系|自然由来で長期効果が特徴
ホウ酸は自然界に存在する鉱物由来の成分で、木材に浸透させて使うタイプの駆除剤です。
最大の特徴は揮発しないため室内の空気を汚さない点にあります。
シックハウス症候群の原因となるVOC(揮発性有機化合物)を発生させないため、化学物質過敏症の方にも適した選択肢といえるでしょう。
ただし、ホウ酸は哺乳類が大量に経口摂取すると中毒症状を起こす可能性があるため、小さなお子様が触れる場所での使用には注意が必要です。
水に溶けやすい性質があるため、雨水がかかる屋外では効果が持続しにくい点にも留意してください。
フェニルピラゾール系・フェニルピロール系
フェニルピラゾール系の代表成分はフィプロニルで、ペット用のノミ・ダニ駆除剤(フロントラインなど)にも使われています。
昆虫のGABA受容体に作用して神経を麻痺させる仕組みで、非忌避性のためシロアリが薬剤を避けず、接触したシロアリが巣に戻って仲間にも薬剤を広げる「ドミノ効果」が期待できます。
哺乳類への急性毒性は低いものの、長期的な影響については研究が続けられています。
フェニルピロール系(クロルフェナピルなど)は遅効性で、やはりドミノ効果を持つ薬剤として使われることがあります。
いずれも専門業者による適切な施工であれば、居住者への影響は限定的です。
カーバメート系
カーバメート系はコリンエステラーゼ阻害作用により昆虫を駆除する薬剤で、プロポクスルやフェノブカルブなどの成分が使われます。
即効性が高い反面、他の系統と比較すると哺乳類への毒性がやや高いため、使用頻度は減少傾向にあります。
施工中の吸入や皮膚接触により、頭痛・めまい・吐き気などの症状が出る可能性がゼロではありません。
現在はネオニコチノイド系やピレスロイド系への置き換えが進んでおり、一般住宅で使われる機会は少なくなっています。
もしカーバメート系を使用する場合は、施工中・施工後の換気を特に念入りに行ってください。



薬剤の種類を理解したところで、次は工法(施工方法)による安全性の違いを確認しましょう。
工法による安全性の違い|バリア工法とベイト工法を比較


シロアリ駆除の工法は大きく「バリア工法」と「ベイト工法」の2種類に分かれます。
薬剤の使い方が異なるため、人体への影響にも違いが生じます。
| 比較項目 | バリア工法(薬剤散布) | ベイト工法(毒餌設置) |
|---|---|---|
| 施工方法 | 床下に薬剤を散布・注入 | 建物の周囲にベイトステーションを設置 |
| 使用薬剤量 | 多い(数百リットル規模) | 少量(毒餌のみ) |
| 即効性 | 高い | 低い(数か月かかる場合あり) |
| 人体への影響 | 施工中〜数日は臭いや刺激の可能性 | ほぼなし |
| 費用相場 | 1坪あたり3,000〜8,000円 | 1坪あたり5,000〜10,000円 |
| 持続期間 | 約5年 | 継続管理が必要 |
バリア工法(薬剤散布)の安全性
バリア工法は、床下の土壌や木部に直接薬剤を散布・注入する方法です。
施工は主に床下で行われるため、居住空間に薬剤が直接入り込むリスクは低いといえます。
ただし施工直後は薬剤の臭いが床下から上がってくることがあり、敏感な方は頭痛や気分の悪さを感じるケースも報告されています。
対策としては、施工後2〜3日は窓を開けてしっかり換気し、可能であれば施工当日は外出するのが安心でしょう。
信頼できる業者であれば、施工前に使用する薬剤の安全データシート(SDS)を提示してくれます。
ベイト工法(毒餌設置)の安全性
ベイト工法は、建物の周囲の地中にベイトステーション(毒餌を入れた容器)を埋設し、シロアリに毒餌を食べさせて巣ごと駆除する方法です。
薬剤を室内や床下に散布しないため、居住者が薬剤に触れたり吸い込んだりするリスクがほとんどありません。
使われる有効成分(ヘキサフルムロンやノバフルムロンなど)は昆虫の脱皮を阻害する作用があり、哺乳類には影響しないものが選ばれています。
デメリットは効果が出るまで数か月かかる点と、バリア工法に比べて費用がやや高めになる点です。
また、定期的にベイトステーションの点検・交換が必要になるため、継続的なメンテナンス契約が前提となることが多いでしょう。
安全性を重視するならどちらを選ぶべきか
赤ちゃんやペット、化学物質過敏症の方がいるご家庭では、薬剤が居住空間に入らないベイト工法が最も安全な選択肢です。
一方で、すでにシロアリ被害が進行している場合は即効性のあるバリア工法を選ばざるを得ないケースもあります。
その場合でも、施工後の換気を徹底し、ホウ酸系やネオニコチノイド系など毒性の低い薬剤を指定すれば安全性を確保できるでしょう。
どちらの工法が適しているかは、建物の状態や被害の程度によって異なるため、専門業者に現地調査を依頼して判断してもらうことをおすすめします。



安全性と効果のバランスを考えて、ご家庭に合った工法を選びましょう。最後によくある質問をまとめました。
シロアリ駆除剤の人体への影響に関するよくある質問
ここでは、シロアリ駆除剤の人体への影響に関する質問に回答していきます。
シロアリ駆除の薬剤は赤ちゃんに影響がありますか?
現在使用されている駆除剤は哺乳類への毒性が低いため、適切に施工されていれば赤ちゃんへの影響は極めて低いとされています。
ただし、念のため施工後2〜3日は十分な換気を行い、床下通気口付近にベビーベッドを置かないようにしましょう。
より安全性を重視するなら、ベイト工法(毒餌設置)の安全性もご確認ください。
シロアリ駆除後、ペット(犬・猫)を室内に入れても大丈夫ですか?
基本的に問題ありません。
ただし、犬や猫は人間よりも嗅覚が鋭いため、施工直後の薬剤臭でストレスを感じる場合があります。
施工当日〜翌日はペットを別の場所に預けるか、十分な換気を心がけてください。
特にホウ酸系の薬剤を使う場合は、ペットが床下に入り込んで粉末を舐めないよう注意が必要です。
詳しくはホウ酸系の特徴をご覧ください。
シロアリ駆除の薬剤でシックハウス症候群になりますか?
現在の駆除剤がシックハウス症候群を引き起こす可能性は低いです。
シックハウス症候群の原因となるVOC(揮発性有機化合物)の発生量が少ない薬剤が主流になっています。
特にホウ酸系は揮発しないためVOCの心配がありません。
化学物質に敏感な方は、施工前に使用薬剤を業者に確認することをおすすめします。
妊娠中にシロアリ駆除をしても大丈夫ですか?
現在の駆除剤は胎児への影響が確認されていない低毒性のものが使われていますが、妊娠中は念のため施工中の在宅を避けることをおすすめします。
施工後も2〜3日はしっかり換気を行ってから生活を再開しましょう。
不安がある場合は、薬剤を居住空間に散布しないベイト工法を検討してみてください。
シロアリ駆除剤の臭いが消えないのですが大丈夫ですか?
施工後に臭いが残ることがありますが、通常は数日〜1週間程度で消えます。
臭いが長期間続く場合は換気が不十分な可能性があるため、床下換気口を開放し、室内の窓を開けて空気の流れを作りましょう。
それでも改善しない場合は施工業者に連絡してください。ピレスロイド系は分解が早く、臭いも比較的早く消えやすい傾向にあります。
自分でシロアリ駆除剤を使うのは危険ですか?
市販のシロアリ駆除剤は一般の方でも使えるよう安全性が考慮されていますが、プロが使用する業務用薬剤に比べると効果は限定的です。
DIYで行う場合は、必ず防護マスク・ゴーグル・手袋を着用し、密閉空間では使用しないでください。
根本的な駆除には床下全体への均一な施工が必要なため、バリア工法の項目で解説した通り、専門業者への依頼がおすすめです。
まとめ|正しい知識と対策で安全にシロアリ駆除を行おう
この記事では、シロアリ駆除剤の人体への影響について、薬剤の種類や工法の違いから詳しく解説しました。
- 現在のシロアリ駆除剤は日本しろあり対策協会が認定した低毒性の薬剤のみが使われている
- ネオニコチノイド系が主流で、哺乳類への毒性は極めて低い
- ホウ酸系は揮発しないため、化学物質に敏感な方にも適している
- 安全性を最優先するならベイト工法が最適
- 施工後2〜3日の換気を徹底すれば、健康リスクは極めて低い
かつて問題となった有機塩素系薬剤はすでに使用禁止されており、現在の駆除剤は安全性が大幅に向上しています。
赤ちゃんや妊婦、ペットがいるご家庭でも、適切な工法の選択と施工後の換気を行えば安心してシロアリ駆除を進められるでしょう。
大切なのは「薬剤を怖がって放置する」のではなく、正しい知識を持って信頼できる専門業者に相談することです。
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